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山東盆地の歴史を見る

和歌山平野を東に進むと、南北の低い山が段々と狭まってくる。その間を和田川が流れ縄文時代の海岸線があったと言われる吉礼（キレ）集落に行き着く。吉礼貝塚があったところで、ずいぶん古くから人が住んでいたようだ。吉礼集落を和田川沿いに土手道を歩いて行くと和歌山平野が終わり山東盆地へと誘われていく。南北に流れていた和田川が大きく東寄りにカーブしていく。真東に徐々にテーブルマウンテンのような低い山が姿を現してくる。山東盆地では一番特徴がある鶏冠山（トサカヤマ）である。東山東小学校の校歌の歌詞にもなっていることからもわかるように、山東では象徴的な山であろう。すっかりと鶏冠山が見えるようになる頃、そこに橋が架かっている。その橋から、上流を眺めると川は二つに分かれているのが見える。左が大池から流れてくる永山川。右が黒岩方面から流れてくる和田川である。

山東盆地の様々な状況が歴史的に見て大きく変わった要因は、２つある。古代に伊太祁曽神社が今の日前宮の場所から山東に移らされたこと。もう一つは、中世に高野山大伝法院（のちには根来寺）の荘園として山東荘が位置づけられたことである。